まずはExcelの計算式レベルからスタートすればいいのです

2014-07-24

農業でのIT活用は難しいことなのでしょうか?最近先進的なIT活用事例がメディアで紹介されるようになってきました。大規模な装置を入れたり、ロボットを導入したり、月数万かかるクラウドサービスを利用してのIT活用などです。ちょっと試してみようかなと思うには少し敷居が高く感じます。当然これらの事例も大切なのですが、もっと大切なのは、IT活用の裾野を広げることではないでしょうか?そして、もっと身近なITの活用を推進していく必要があると思います。

まずはExcel計算式を使ってみる

IT活用と言っても広い意味があります。まだITに馴染みが少ない農家さんに私達が推奨するのは、まずはExcelの計算式レベルの利用から始めることです。この計算式、Excelを使ったことがある人には簡単ですが、まだExcelに触れたこと無い人もいると思います。

IT活用と言っても要は「人間がやっていた作業を、コンピュータにやらせる」だけです。そして一番使い易いのがこの計算式です。Excelは表計算ソフトと呼ばれていて、色々な数値を記録して、それを計算式を使って計算するのがメインの機能です。これも立派なIT化です。人がコンピュータ使わずにやる場合には、紙にメモしてまとまったら電卓で計算するという作業をExcelの計算式を使って代行させるのです。

従来、紙に書いていたことをExcelというソフトに入力します。ここはあまり手間は変わりません。ここからがコンピュータの真骨頂です。電卓でやっていた計算作業をExcelに覚えさせることができるんです。最初は計算式を入力するので、電卓で計算するのと手間は変わりません。偉力を発揮するのは繰り返し作業をする時です。Excelに覚えさせた計算式はずっと残ります。その後は、Excelに入力していた数値だけを変更すると、自動的に計算されます。自動化ですね ^ ^

計算式と言ってバカにはできません。農業以外の企業では割と頻繁にこのExcel計算式は使われていると思います。一般的にIT活用と言った場合、大きく2つのパターンがあり、どの企業もケースバイケースでこの2つを使い分けています。

1)システム会社等の専門家に依頼して作ったり、パッケージソフトを導入する

これは割と全社的に利用したり(利用者が多い)、または業務重要度が高い領域で、且つ業務としての固定されている部分に適用します。構築にそれなりのコストがかかりますので、ある程度長期間に渡って変更なく使い続けられる必要があります。

2)Excel計算式、マクロ等を利用したエンドユーザコンピューティング(EUC)

現場の担当者がExcelの計算式・マクロを駆使して簡易ツールを作るケース。これは利用者が部門内に限られていたり、業務の重要度があまり高くない領域、または業務がしょっちゅう変更されてシステム開発してもすぐに改修が必要になるような業務で利用されるケースです。

それぞれ、一長一短ありますので、「利用者数」、「業務重要度」、「業務変更の頻度」などで使い分けるのが一般的です。農業でも同じことが言えます。そして、いきなり1)をやると失敗することが多いので、まずは2)でIT力をつけてから本格的な1)に踏み込むのが安全なやり方です。

オススメはGoogleスプレッドシート

ここまではExcelの計算式で説明しましたが、農園観察日記プロジェクトでのオススメはGoogleスプレッドシートです。これはGoogleが提供しているExcelと同じ表計算ツールです。Excelは有料のソフトウェアで、パソコンでしか使えませんが、Google スプレッドシートには以下の様な特徴があります。

  • クラウドサービスとしてインターネット上で提供されているサービスで、パソコンにソフトをインストールする必要がない
  • 無料で利用できる
  • 一部制約はあるが、スマートフォンやタブレットからも利用できる

つまり、何も買わず、何もインストールせずにアカウントだけ登録すれば使えるのです。当然、Excelと同じく計算式も使えます。また、今後説明していく計算式よりももっと色々できるExcelのマクロと同様のこともできます。

結局何ができる?

で、結局そのGoogleスプレッドシートの計算式使って何ができるのでしょうか?具体的な例を挙げてみます。

(例)品種・月別の売上高一覧
毎月いくらの売上げがあったかの計算をします。トータルの売上げも知りたいですが、できれば品種別の売上げも把握したいです。売上げは週1回の出荷の際に品種毎にきまるという想定で計算式を使って合計を出せるようにしてみます。

作成したスプレッドシートが以下になります。

計算式サンプル
売上伝票を発生の都度、左側の表に追記して行くと、自動的に「総合計」に加えて「品種別の合計」と「月別の合計」が計算されます。超基本ですが、複雑になっても基本この組合せで色々なことができます。

それではこのスプレッドシートで使っている計算式を1つづつ説明していきます。

総合計

計算式_総合計

ここで使われている計算式は、sumという関数です。これは()内で指定されたセルに入力されている数値の合計を計算してくれます。ここでは表のD列を指定しているので、全ての売上伝票の合計金額が計算されるのです。このsum関数は最もよく使われる関数だと思うので、覚えておいて損はないと思います。

=sum(D4:D26)

品種別合計

次に品種別合計の計算式を見ていきます。こちらはちょっと難しくなります。単純に合計をするのではなく、表から条件にあう行を探して、その行の売上高だけを合計しないといけません。

計算式_品種別合計

これはF列に集計したい品種を書いてあります。このF列に書いてある品種での売上金額を表から抜き出して合計を計算します。使う関数はsumifという関数で、
「表から条件を指定して行を抜き出し、その中の指定した列の合計を計算する」
という機能を持っています。

「小松菜」のセル(G6)を例に説明します。計算式は以下のようになっています。

=sunif($C$4:$C$26, F6, $D$4:$D$26)

1つ目の引数は、表の中で条件として使う列を指定しています。ここではC列に品種が入力されているのでC列を指定しています。

・データ範囲に関して
・$指定に関して

2つ目の引数は、条件を書きます。C列の値とこの値を比較して条件が一致になればその行が計算対象になります。ここでは「=条件」で指定するので、条件となる文字列(ここでは小松菜)が入っているF6のセル名を指定しています。
これによって、表の中でC列が「小松菜」の行のみが合計の対象となるという指定ができました。

月別集計

計算式は基本品種と同じです。隣の列(F列)にある月の数値と同じ行を表の中から抜き出してその売上金額を合計します。

=sumif($B$4:$B$26, F12, $D$4:$D$26)

違うのは、条件として使うのがB列なことと、条件の値がF12(4月の4が入っているセル)になっていることくらいです。

ここで表の中で出荷日の日付から「月の数値を抜き出す」部分がちょっと工夫があるので、そこを追加で説明しましょう。

ここには、month関数を使っています。このmonth関数は日付データから月の値のみを抜き出す、まさにそのままの関数です。

month関数の説明

Googleスプレッドシートにはこのような便利な関数がいくつもありますので、どんなのがあるかだけでも覚えておくと役に立ちます。
覚えなくても一覧があるので、それを見ればOKです。

Googleスプレッドシートの関数一覧

マーク次にこちらの情報をご覧ください

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