作業時間の分析が業務改善の第一歩(後編)

2014-08-07

前回の「前編」ではなぜ作業時間を分析するかから、作業時間を記録するポイントまでをお話ししました。

今回は、具体的にツールを使った記録方法と、その分析方法を説明します。

作業時間を分析できる為のインプットを記録する方法

作業時間の記録はコンピュータに記録しておくのがお勧めです。前回もお話ししましたが、人間の記憶では細かいところまでは無理ですが、コンピュータはいくら細かいデータでも忘れることはありません。当然ノートにメモすることでも記録はできます。ただし、紙に書いたメモだと後で分析しようとした時に面倒です。その点最初からコンピュータに記録しておけばそのまま分析できてしまいます。

前回もお話ししましたが、記録する時のコツは、

①作業したらすぐに記録する

「後でまとめて記録しよう」など思っているとだいたい曖昧になってしまいます。畑で作業が切替る時にすぐに記録するのがコツです。

②余計なことはなるべく書かないこと

色々なことを記録しようとすると面倒になり、「後で書くか…」となってしまいます。

畑で作業が終わったらすぐに記録するには、農園観察日記でもお勧めしている「Google ドライブ」を使うのが手軽でいいと思います。GoogleスプレッドシートというExcel風のツールと、Googleフォームというスマートフォンでも入力が楽になるツールを使います。これらのツールの使い方は別の記事で書いている「栽培記録」をとる場合と同じです。そちらの記事で手順まで詳しく書いていますので参考にしてみてください。

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作業メモ

スマートフォンを今持っていない等で、どうしても紙で書かないといけない場合には、小さめのメモを畑に持って行ってメモを取りましょう。これは既に多くの農家さんがやられているかと思いますが、忘れないようにメモしておき、後でパソコンにまとめて入力することで漏れはなくなります。この際のポイントは、全て手で書かないでいいように最初にフォーマットを作っておくことです。それだけで結構楽にメモができます。スマートフォンで入力する場合と基本は同じで、以下のようなフォーマットを予め作って印刷しておくのです。

 

作業時間として記録すべき項目はなに?

Googleドライブを使った場合、作業時間の記録すると、以下のような結果になると思います。

作業記録表

「Google スプレッドシートで作業時間を記録した結果」
項目:日付、開始時間、終了時間、作業内容、作業者、作物、圃場、メモ(任意)

農園観察日記ではスマートフォンを利用して記録する方法を推奨しています。大半の農家さんが畑にでるときも携帯電話は持っていらっしゃいます。連絡をとるのに必要ですからね。そして、その携帯電話最近はスマートフォンの比率が高まっています。ですので、そのスマートフォンで簡単に入力ができたら便利です。スマートフォンで入力する時もポイントは紙のメモと同じです。最初にフォーマットを用意しておき、必ず入力したいものはなるべく選択式にして手間を省くことです。
※Googleフォームでは使い慣れてくると物足りなさを感じると思います。この辺りはスマートフォンで簡単に入力できる仕組みを準備中ですので、出来上がったらそちらも使ってください。

記録した作業時間の分析のやり方

最後に分析です。この分析をしないと記録しただけでは意味ないですね。「現状を客観的に数値で見えるようにして、そこから改善ポイント探す」ことが重要なのです。では、Googleスプレッドシートに入力されている情報を分析してみましょう。今回は一つの例として
「同じトマトを栽培するにかかった時間を圃場別に作業時間を分析する」
というのを分析してみます。分析の基本は「ピボットテーブル」という機能です。マイクロソフトの表計算ソフトのExcelにも同じ機能があります。

ピボットテーブルとは?
一覧になっている表(今回であれば、作業時間の一覧表)を、横軸・縦軸の2軸で項目単位に集計したテーブルです。例えば、作業時間であれば以下のようなピボットテーブルが考えられます。

(例)
縦軸:作業内容(播種、追肥、収穫、農薬散布等)
横軸:野菜の品種(トマト、なす、ピーマン等)
集計する値:作業時間の合計

こうすることで、作業内容別、品種別での作業時間を集計することができます。当然これらの集計は「計算式」を使って個々に計算することもできますが、ピボットテーブルを使った方が簡単でわかりやすいです。

具体的な手順を説明しておきます。

①ピボットテーブルを作るもとになる作業時間を記録したテーブルを作る
これは上で説明した表ですね。まずこの表全体を選択した状態にしておきます。
※このテーブルの作り方はここでは省略します。

作業記録表を選択する

選択した状態で、メニューから「データ」>「ピボットテーブルレポート」の順番で呼出します。

メニューから呼出し

そうすると以下の様な「ピボットテーブル」用の新しいシートができて、空っぽの表が出来上がります。

空のピボットテーブル

この表に、どういう軸で集計したいかを設定していきます。行と列という2つの軸で集計することができます。右側にでてくる「レポートエディタ」を使って、どの項目を使って集計するかを設定できます。ここでは、行方向では「作業内容」、列方向では「品種」で集計してみましょう。

軸の設定

これで、集計する軸の設定が完了です。あとは、どの値を集計するかを設定します。これは当然「作業時間」ですね。これで「作業時間別 × 品種別」での作業時間の集計が出来上がります。この設定も「レポートエディタ」で設定できます。

集計する値の設定

これだけで出来上がりです。
ここで挙げたサンプルは記録している数が少ないので、ここから読み取ることは難しいかもしれませんが、データが溜まれば溜まる程、傾向が見えてきて差が見つかってきます。また、この行と列の集計する項目は簡単に変更できますので、色々な軸で見てみることができます。また、集計も今回は「合計値」を出しましたが、他にも「平均値」等も見ることができます。こちらも同様に簡単に変更ができます。またもう一つ、このピボットテーブルをグラフ化してみるのも良いやり方だと思います。グラフを使って視覚化することで、数値を眺めているだけでは見えないものが見えてきます。

差がでてきたら、その要因を探っていきます(何故このような差がでているかの?)、この際には、ピボットテーブルやグラフだけでは判断が付きませんので、具体的な記録のメモや写真を見たり、担当者にヒアリングしたり、現場(圃場)を確認したりという詳細に入って行くと思います。

ただ、どのポイントをチェックするかをまず数字から見つけるのが分析の入り口です。まずは農業での大切なリソースである人の改善のヒントが眠っている可能性がある作業時間の分析からスタートしましょう。

マーク次にこちらの情報をご覧ください

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