スマホで使える農薬検索システムの簡単な作り方

この記事で紹介している農薬検索ツールですが、内部的にGoogleが提供している「Script DB」というサービスを利用していますが、2014年11月でその「Script DB」サービスの提供が終了したために、現在利用できなくなっています。代わりの方法で現在農薬検索ツールを修正していますので、しばらくお待ち下さい。【2015/4/26】

Script DBがサービス停止となった為、データを保存する場所を同じくGoogleが提供する「Google Fusion Tables(以下、Fusion Tables)」を利用する形に変更をしました。Fusion TablesはGoogle Drive上で使用できるデータベースになります。Script DBはJavaScriptのオブジェクトをそのまま保存できるオブジェクトデータベースだったのに比べ、Fusion Tablesはリレーショナルデータベースと言う種類となり、Excelやスプレッドシートと似た表形式でデータを管理します。
その為、ツール利用の手順も以前と変わっていますのでご了承ください。【2015/5/3】

ここでは、農業で農薬を利用している農家さんが、自分で農薬管理するシステムを作る第一歩をご説明しようと思います。
ただ、農薬管理しようとするとかなり大変なので、まずは農薬検索をできる仕組みを作ってみたいと思います。

農薬を利用されている農家さんは、農薬の利用に気を使われると思います。農薬利用には規定が設けられていますので、きちんとそのルールを守って使わないといけません。そうすることで食の安全を守りつつ、おいしい野菜を作ることができるのだと思います。
また、できれば減農薬で栽培されたいと思っている農家さんも多いかと思います。

農業での農薬管理の重要性

間違って規定より多く使ってしまったりすると出荷できなくなってしまったり、間違って遅く農薬を使ってしまうと、出荷タイミングが遅れてしまったりするかと思います。
当然、農薬利用の規定は覚えていても、品種が多かったり、作付け間隔短く作っているとどの作付けが今どういう状態か、またいつ出荷予定でいつまで農薬が使えるかを常に把握しておくのは難しいです。そういう時に明確に農薬の利用履歴がみえたりすると安心ですね。

農業での安全管理と品質管理

農業で農薬管理をすることは、食品の製造業が取り入れている安全管理の一つだと思っています。出荷する野菜が安全に消費者に届く為に、農薬の利用基準に準拠するということです。安全だけを考えたら、農業で農薬を使わないのが一番なのかもしれません。ただそれでは十分な品質の野菜を消費者に届けられないケースがあるのでしょう。家庭菜園では農薬無しでいいかもしれませんが、事業としての農業であれば、そうもいかないことも多いと思います。
我々はシステム屋ですので、農薬使用の是非はわかりません。我々にできる事は、農業で農薬をより安全に利用し、品質良い野菜を消費者に届けようとする農家さんをシステムでサポートすることです。

農薬管理でシステムができること

では、農薬管理する上で、システムは何ができるでのでしょうか?以下に具体的な例を挙げてみます。

農薬検索
まずは自分が育てている野菜に使える農薬を検索するシステムが考えられます。野菜の品種毎に利用できる農薬が決まっていて、利用できる量や回数などが決まっています。それらの情報をシステムで管理できます。常に栽培する野菜が決まっている農家さんでは使う農薬は限られてくるので、システム化しないでもそこまで問題はないとは思います。ただ、初めて作る品種だったり、いつもと違う状況(例えばはじめての害虫の被害に遭遇したときなど)に参考に見れるといいかもしれません。

農薬使用量計算
農薬の使用量の計算も面倒な場合があります。散布量と使用する農薬の規定されている希釈倍率から、どれだけ農薬を使用したらいいかを簡単に計算できると便利かもしれません。

農薬利用の記録
やはりシステムが威力を発揮するのは、日々の農薬を使った記録の管理でしょうか?使う農薬は少なくても、育てている畑が広ければ、利用するタイミングもまちまちに、いつどの野菜に使ったかをきっちり把握するのは人の記憶だけでは難しくなるかと思います。そもそもそこに頭を使うのはもったいないですね。
当然手帳等に書いて管理すれば十分かもしれませんが、あとで集計したり分析したりの「二次利用」が手間がかかるので、そこはシステムに軍配があがります。

農薬利用前のチェック
実績を記録しておくことで、間違った農薬利用の防止にもつながります。過去の利用状況と照らし合わせて、回数・前回利用からの期間・出荷予定などから今農薬を利用して良いかチェックができます。

農薬利用効果のチェック用
ここまでの利用方法は割と「守り」の目的でした。農薬管理の場合は、主に安全を守るためという部分ですね。もう少し「攻め」の目的もあるかもしれません。攻めとは、システムを使うことで品質を上げるという部分でしょうか。農薬を使う目的は、病気や害虫から野菜を守ることだと思いますが、使うタイミングや使う農薬を間違えたりするとその効果が思ったようにでないことがあると思います。それを「見える化」して次の参考にするということです。
例えば、農薬を利用した際の状況(使用前、使用後、周辺の環境情報等)も合せて記録しておくことで、そこで利用した農薬が効果的だったのかどうかを後で判断する材料になります。効果がどうかという部分はやはり人間の判断が必要になると思います。システムは人が判断するのに必要な情報を正確に記録しておくという役割になると思います。

自分で農薬管理システムを作る?

では、そんな農薬管理するシステムを作るのは大変なのでしょうか?確かに細部まで気にかけた仕組みを作るのは大変です。でも最低限の仕組みであればどなたでも作れます。
まずここでは、最低限のシステムを自分で作る方法をお伝えします。上記に挙げた「農薬管理でシステムができること」の中から、「農薬検索」と「農薬使用量計算」の部分をシステム化してみましょう。当然スマートフォンから使えるように。

システム化すると言っても、何かソフトウェアをかったり、プログラムをバリバリ書かないといけないということはありません。まずシステム化するのにはGoogle Driveというクラウドツールを使います。インターネット上で使えるオフィスソフトのようなものです。詳細は「農家さんの為の完全レポート」に説明していますので、そちらも参考にしてください。

農薬を検索すると言う部分ではやはりプログラムを書かないとなりません。自分で一から書くというのは難しいと思いますので、ここでは最低限動くプログラムを提供しますので安心ください。

まずはマスター情報を揃えよう

まず管理する農薬の利用規約をシステムに登録する必要があります。この情報があれば、現在の利用状況をチェックすることができます。ではそのような情報をどう入手するかということになります。まず一番簡単なのは、農薬のラベルにある記載をみながらという方法です。ただ、数が多くなると見ながら入力するのは手間かもしれません。
今回は、「農薬検索システム」なので、自分の育てている品種で使える農薬が全部登録されていることが必要かと思うので、この方法は使えません。

その様な場合に使えるのが、「(独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)」のホームページで公開されている情報です。農薬の登録番号や農薬名などから詳細な入手することができます。ここにも検索システムが提供されていますが、ちょっとスマートフォンから使うには使いづらいですね。またこちらではこの情報をデータとしてダウンロードして使用することができます。個人的な利用であれば問題ありません。詳細は以下のホームページをを参照ください。

(独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)のホームページ

左側のメニューの下の方に「農薬検査関連」という項目があり、この中の「農薬登録情報検索システム」「農薬登録情報ダウンロード」から情報を参照・ダウンロードすることができます。全データを登録するとなるとかなり大量になるので、ここでは品種を2つほど決めて、その品種で使える農薬を登録してみたいと思います。例として栽培する野菜を「小松菜」と「キャベツ」としてみます。

システムの機能概要

検索して表示される情報としては、ダウンロードした「農薬登録情報」に登録されている以下の内容とします。

対象となる作物名
農薬の名称
用途(殺虫剤、殺菌剤、除草剤)
適用病害虫名
希釈倍数
使用液量
使用時期
本剤の使用回数
使用方法
主成分を含む農薬の総使用回数

これらの情報を検索するわけですが、検索する際に使う条件としてはまずは「対象となる作物名」と「用途」、「適用病害虫名」にしてみたいと思います。
そして検索して、散布量を入力すると希釈倍率から農薬の使用量を表示してくれるシステムです。

完成系は以下のようになります。

 
  • 農薬_初期画面
  • 農薬_一覧

    図2

  • 農薬_詳細

    図3

 

システムの作り方

他の記事でGoogle Driveを使ったシステムの作り方をいくつか紹介しました。

面倒な栽培記録作り!スマホを使って簡単に作れちゃう3ステップ。

農業の出荷管理をシステム化、30分でスマホで記録が開始できる!

これらの記事では、Google Driveの「フォーム」機能というのを使用して、プログラミングなしで簡単なシステムを作っています。ただ、今回の「農薬検索システム」はデータを記録するのではなく、予め農薬の情報をシステムに登録しておき、それを検索するシステムなので「フォーム」機能は使用できません。

ここでは、Google Driveの以下の機能を使ってシステムを作ってみます。

・スプレッドシート(表計算ツール)

・Google Apps Script(プログラム開発環境)

「プログラミング…」なんか難しそうですね。確かにちょっと難易度が上がります。でも安心してください。こちらで既に半完成品を作っています。テレビの3分間クッキングのような感じです。この半完成品をご自身の環境にコピーしてもらえれば、とりあえず動くものを作ることができます。
当然、ご自身で半完成品をいじって拡張することもできます。ただその際にはGoogle Apps Scriptの知識が必要になります。なれてしまえば多少の修正はどなたでもできると思いますので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。

まずはテンプレートをコピーする

今回はテンプレート(というかほぼ完成系)を用意していますので、それをコピーするところからスタートです。Google Drive上でスプレッドシートを閲覧専用で共有しています。これを自分のGoogle Driveにコピーすることで、自分のものとして使用することができます。
共有しているスプレッドシートのURLをここで公表することははばかれるので、以下のフォームにGmailのアドレスを入力して送信ボタンを押してください。GmailへURLを送りますので、そのURLをクリックするとテンプレートのスプレッドシートを開くことができます(閲覧専用なので、このスプレッドシートを編集することはできません)。

メールアドレス





セットアップ手順に関しては、テンプレート上のシートに記載してありますが、以下のページでも同じ内容を載せていますので、こちらからも確認できます。

農薬検索システム(Google Drive)のセットアップ手順

実際に利用してみる

さてこの先はコピーしたテンプレートを使って、自分独自の農薬検索システムを作り上げていきます。
後半ページでこの説明をしていますので、続きをご覧ください。

スマホで使える農薬検索システムの簡単な作り方(後半)

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